ベートーベンの第九を歌うには、ブレス=息継ぎを
うまくできるようにならないと窒息寸前になることが
少なくありません。特に高音ソプラノなんて~。


2014年の夏祭クラシックス、第九練習レポートにも
「窒息寸前」と言う単語が 何回か出てきていますね~(笑)。


でも、「もし、どうしても息が続かないときは、ここは
無理をせずにカンニングブレスをとってもいいですよ。」
と先生から優しくアドバイスしていただけることがあります。


カンニングブレス。もともと合唱でブレスを取るべきところは、
言葉やフレーズや音の流れを乱さないように ある程度
決まっているのですが、その決まった間隔がすごーく長くて
どうしても息が続かない場合がある。
その時に、お客さんにわからないようにカンニングを
するようにこそーっと息継ぎすることをカンニングブレスと言うそうです。


窒息寸前で歌っていた状態でこの言葉を聞くと、
「そうか、ここで息を吸っていいなんて、先生優しいっ!」
と神の言葉を聞いたように思うのですが、
上手に実践するには、なかなか難しく。


ソロと違って、幸い合唱の場合は大勢の人と一緒に歌って
いるので、どうしても苦しい時はその場面は周りの方に
ちょっとお任せしてこっそり自分だけみんながとらない
場所でブレスをとれば、お客さん側では違和感なく
音が続いている状態を保つことができるということですね。


・・・と理屈を聞くと簡単そうですが、実際そうはうまくは行きません。
初心者ってやる気たっぷりな分、どうしても息も
我慢大会のようにぎりぎりまで頑張ってしまうのです。


息が続くぎりぎりまで頑張ってしまうと、
「カンニング」、こっそりブレスということができなくなります。
我慢ができずに「すはぁ~っ!」って息を深く吸ってしまうからヾ( ̄0 ̄;ノ


ちょうどいい具合を自分で感じて、足りない息を補充するくらいの
余裕のある状態でこっそり息を吸わないと、みんなの創っている
音楽の流れも音の邪魔をしてしまうし、カンニングにもならないんですよね。


落ち着いてよく考えたら、ぎりぎりまで息継ぎをしないで頑張ると、
音もずれて聴き苦しい声になるし、メリットは自己満足しかないのですが、
どうも意地になってがんばってしまいます。


聴いてるお客さんが気持ちがよい音を出しつづけられる、
余裕のある体勢を常に保てること、これがまだまだ私も課題です。


うまくごまかして、音楽を邪魔せずに気持ちよく聴くことが
できる音をつなぐのもきっと上級技術なのですね!


合唱経験を積んで、歌っている自分の体の状態を常に感じながら、
どの加減、タイミングで息をうまく補充したら一番効果的なのかを
判断して実践できるようになるのも経験者のテクニックかもしれません。